誰も振り向かない夜 9

どうも、最近は病気がちのbaliwです。

 

つい先日まで石垣島に遊びに行っておりまして、
ウイルス性の結膜炎で右目が完全に目ヤニで塞がっておりました。

 

いやぁ、マジか。

あ、後ね、声を大にして言っておくわ。

 

石垣島にはフィリピンパブ無いからね。

 

情報見て行ってみたけど、情報が古すぎるわ。

いいですか、石垣島にはフィリピンパブは無いよ。

肝に銘じといて下さいね。

 


 

 

知らない間に眠りについたけど、特に話足りない事もなかった。

彼女の家族やアンへレスで男に体を売る経緯なんて知った所で僕がどうこう出来るモノでも無い。

 

金がないからだ。

 

シェリルがセックス中毒者が取るような行動を見せた訳でも無く、ただ普通の娼婦として股を開き男を悦ばすだけの仕事をしていたように思う。

愛嬌が有るのは生まれついての元々のモノなんだろうね。

 

歳をとる度に朝が早くなる僕が先に起きていたようで彼女は枕とシーツに埋もれたままだった。

 

つけっぱなしのテレビがうるさくて目が覚めたのだ。

 

一昔前の僕ならopmの一つでも寸暇を惜しんで覚えようと努力していたのに。

結局フィリピーナとねんごろになる手段としてのopmだったのかも知れない。

こうも簡単に金でねんごろになってしまった今、opmではなくタガログを深く覚えていこうと思った。

 

 

洗面所で彼女を舐めまわした口を濯ぎ歯を磨く。

 

彼女が汚いとかは思っていない。

 

 

次に備える為の準備。

ベッドに戻ってシーツの中から愛撫でもしてやろうと思っていたけど彼女は目を覚ましていた。

 

 

すっぴんだけどあまり変わらない女性で良かった。

 

「Ohayo」

 

日本人の元彼に教わった言葉。

 

「Goodmorning」

 

なんだかなぁ。こう返す僕。

 

ヘルス嬢でもソープ嬢でも前の男の痕は残さないのが一流だと思うんだけどね。

そういった面では彼女は素のままで体を売ってるんだろうね。

 

 

彼女の横に寝てキスをする。

 

今日マニラに戻るの?

 

多分ね、でもだよ、今日一日延長したらお店に行く。約束する。

 

いいわ、待ってるから。

 

今日は君とゆっくり過ごしたいな。

 

何もしないの。

 

いや、いろいろするよ。

 

 

彼女が僕の唇を噛む。

それがイイと思ってしまうんだろうね、潜在的にマゾヒストな男は。

 

 

彼女に着衣を促すとまた不釣り合いな赤い下着をつける。

やっぱり不釣り合いだ。

 

彼女に足代として500ペソを渡そうと財布から紙幣を出す。

入れていた2000ペソはそのままだった。

 

みんなに色々言われるけどちょっと多い目にあげよう。

 

これ、タクシー代ね。

 

と2000ペソから1000ペソの紙幣を渡そうした時に彼女が全て奪い取った。

金が無いんだね。醜いね。

 

 

ねぇ、ちょっと。多すぎるよ、1000あげようと思ったのに。

 

いいじゃない。頂戴よ。

 

イイけどいつもそんな態度で金を貰うのかい。

 

悪かったわよ、じゃあ返す。

 

 

明らかに彼女のプライドが邪魔をしたんだろう。不貞腐れた表情で半分返して来た。

ちょっと冗談でしただけなのかも知れない、彼女のその表情は僕の子供と同じ顔をしている。

 

いいよ、あげるよ。こんな事で君との関係を悪くしたくないんだ。忘れてくれ。

 

彼女の赤いブラを外し乳房を口に含む様にキスをした。

シェリルも突然の事で驚いたみたいだけど無駄な力が抜けていくのがわかった。

 

 

じゃ、今夜また会おう。

 

 

今度は長いキスをして外に出た。

 

思った以上に陽が高い。当然街の活気で車の往来が激しい。

 

 

トライシケル呼ぶよ。

 

いいの。ジプニーで帰る。

 

 

何か腹が立つので彼女の尻を叩く。

 

したり顔の彼女はまた今夜ねというと握った手を放した。

 

 

放れたのだ。

 

 

丸い尻をこっちに向けながら狭いジプニーに乗り込む。

 

笑いながら僕に手を振る。

悪い女だなぁ。

 

 

彼女と一緒にわたった大通りは僕一人で渡れなくて彼女の乗ったジプニーが砂塵と喧騒で見えなくなるまでしばらく眺めていた。

 

 

(つづく)

 

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