マニラで出会った二人の男の話をします。
一人目はロンという名の二十歳の学生。顔は暴君ハバネロの宣伝に出てる外人に激似でした。
最初に出会ったのはベイウォークでした。初めてエルミタ近辺を一人歩きした日の事、あまりに言い寄ってくるフィリピン人のおっさん達に辟易していて防波堤に一人腰掛けて暗くなるのを待っていました。その時近くに一時間近く座って誰かを待っている青年、その青年が
「今は何時ですか?」
「もう6時です」
と返答したら礼を言って帰っていきました。
しばらくして一人でベイウォークでビールを飲んでいたらその青年とバッタリ再会しました。
「一緒に飲まないか」
と僕のほうから誘いました。その青年がロンでした。
それから毎日ライラが仕事中には一緒にご飯食べたりあちこち歩き回ったりしました。英語での会話でしたが解らないトコは筆談でコミュニケーション取ってました。
ライラも最初は知らないフィリピン人だからと不審がってましたが三人でご飯食べた時からある程度信用してたみたいです。僕もフィリピン人の友達が出来てホントに嬉しく思ってました。
師・カルボ氏が初の渡比に際して数日ロンに会えないと彼に告げたら
「数日会えないから500ペソ欲しい」
と言ってきました。それで僕はロンとメールも電話も一切取らなくなりました。
ある日ライラにロンからのメールが来ました。僕と連絡が取れないのは何故かと。
僕はライラを通じて「何もしないのにお金を要求するのはおかしい。金の為に毎日僕と会っていたと考えられるから失望した」とメールをお願いしました。
ロンからの釈明のメールは「いつもご飯ご馳走してくれるし、会計の時に見える僕の財布の中身は紙幣が沢山有ったからお金持ちだと思った」と。
結局お金かと再度がっかりして本当に連絡するのは止めましたし、もう金輪際するつもりはないです。
二人目はボーイと呼ばれる年齢不詳のフィリピン人、多分僕とあまり年は違わないでしょう。彼はエルミタ・マラテ地区を歩いてコピー物の時計を売る行商人。
いつもライラの店の隣のオープンカフェでコーヒーを飲んでると時計を売り込みにきました。毎日来るので
「今日はどうだ?」
みたいな感じで話しかけて来てましたが、要らないのでずっと断ってました。ある日カルボ氏が一つ欲しいと言うのでカフェで待ってるとやはりこの日も彼は来ました。一つ欲しい事を告げるとかなり吹っ掛けて来たので値引きしろと反論し粘る事一時間でやっとかなり安い値で売ってくれました。
数日後カルボ氏が買った時計が動かなくなったと。僕は修理をボーイに頼むとロンの件もあったのでお金を要求されるかも知れないと思いました。が、彼は無償で修理を引き受けてくれました。
当たり前の事かもしれませんが僕にはとても嬉しかった事です。僕も帰国前日に彼から時計を一個買いました。そしてその時彼と色々と身の上話もしたりしました。
今度5月に渡比した時にはまた彼から時計を買うつもりです。(違法ですが)彼もお世辞でしょうがその時はもっと値引きしてやるし、お前のこと忘れないと言ってくれました。
僕がフィリピンで失ったものと築いたものです。
コメント
blog書き修行中のひぃです。
参考にさせていただきますm(_ _)m
・∀・)ノ”こんちぁ☆色んな人の事が知りたくて
色々みて回ってます(o・ω・o)また見に来ますねっ!
イミテーション無事に持って帰れたんですか?
私は時計嫌いなんで、一切しないんですが。
普段は携帯電話が時計の役目を果たしてます。
msnrmznさん、こんばんは!
時計は隠しもせずにスーツケースに入れてたら何も税関で言われませんでした。見つかった時には没収覚悟でしたが。
でも結局は時計も着けてないです。200円くらいでパナイ島・ロハスで買った安物デジタル時計の方が格好良かったりしますね。