誰も振り向かない夜 5

どうも、いつもブログ作成に使ってたクッションを勝手に捨てられて困っているbaliwです。

 

寝っ転がりながらでないと記事が書けないんですよね。

っていうかPC使い始めてからずっと寝ながらノートPCに打ち込むクセがついているので首の座りが悪いとどうにも勝手が悪い。

 

 

他人には大した事が無いモノでも、本人には欠かせないモノって結構ある。

それがフィリピンだったりもします。

 


 

シャワーの音が聞こえ始めるとすぐに行動に出た。

 

 

うっかり寝ても良い様に財布に2000ペソ以外はセフティーボックスに入れる。

ゴミ箱をベッドの脇に用意する。

コンドームとローションをスーツケースから取り出し視界に入らぬようにテレビの裏へ。

忘れずに日本から持参したティッシュとウェットティッシュをナイトテーブルの下に。

 

 

こういう所がさも自分らしいと思う。

 

とにかくフィリピンのホテルでティッシュが無いのには困った。

飲食店のナフキンも吸水性も良くないし、衛生的に感じない。

 

 

準備が終われば次に心の準備として、出発前日にドンキホーテで購入したマカの錠剤を用量の倍を水で流し込む。

 

すぐに効かないのは知っていた。

 

けど、少しでも安心が欲しかった。

マカを飲んだんだという事実。

 

 

ここという場面で不能だった場合、これ以上に彼女に気持ちを入れる事が出来ない。

 

 

 

「ゴメン、起きてからにしてくれないか。お酒飲んで、旅の初日で疲れてもいるんだよ。そして何より僕はシャイだ。君みたいな理想の可愛い女性と寝る事が出来るなんて考えても無かったんだ」

 

一日前に同じベッドで寝た褐色の美少女に話した言葉。

ゴーゴーのステージの上で踊りすらせずにただ立っていた美少女。

 

店のママにお願いして二階席からレーザーポインターで当てられた戸惑った表情と隣に座って会話した時の場を取り繕う笑顔が忘れられない。

拙いタガログと英語で有りながら通訳でこのアンへレスに来たのに彼女を見た時にはそんなんどうでも良かった。事実、前日は社長や同僚に断りを入れて先に連れて帰った。

 

 

あの細く美しい褐色の肌をどうしても抱きたかった。

フィリピーナで有ってもラテのような褐色、浅黒いという下劣な言葉を使うのは彼女にもあまりにも失礼だ。

 

「blowjob?」

 

僕が無言でうなずくと美少女は口に含んだままずっと僕を愛撫していた。

僕がもういいよ、挿れていいかいと言うまでずっと。

 

上に跨った彼女の乳房から尻にかけての曲線は本当に美しかった。

が、不能になっていた。

 

起きてからねとお願いして、「疲れてるでしょう?寝ていいよ」と無理矢理寝かしつけ僕も眠った。

 

 

どれだけ寝たのだろうか浅い睡眠の後、寝息を立てている美少女を触り始め、愛撫し始めた。

 

剃っている彼女の性器の周りもしがむ様に吸いついて放さなかった。

 

気持ちは既に性欲よりも支配欲の方が昂っていたんだと思う。

 

潤滑出来る程度に彼女の口で濡らす様にも指示し、安全の為のコンドームすら気持ち良くないからそのまま挿れた。

 

 

何の安全か。すでにリスクは冒しているんだ。

 

 

その時、確かに自分に言い聞かせていた。

 

薄いゴム一枚に止められるほどクソ野郎の劣情は小さいもんでもない。

肉体的な快楽のゲージを上げきった後、果てた。

 

 

褐色の腹部に散らされた白濁の精子。

暴力的な美しさを感じたのと彼女があまりにも可哀そうに思えた。

 

その後、当然の事だろうが「日本に来たいのか」という問いに

 

「ayaw ko」

 

と返事された。

 

 

そのまま寝た。

朝に彼女が帰る時、500ペソのみを渡して部屋の外で別れた。

ホテルを出て外の通りまで見送ろうと最初は思ってたのにね。

 

 

部屋を出て、後姿すら目に焼き付けようともしなかった理想のフィリピーナ。

 

さようなら、僕の美少女。

ありがとうとは思えなかったよ、ただの売女。

 

 

 

 

せめて今夜だけは。

誰に祈る訳でもないけど同じ言葉を繰り返していた。

 

 

シャワーの音が止まるとバスタオルを胸に巻いて丁度チューブトップのワンピースのような格好でシェリルが目の前に現れた。

 

 

昨日の売女も同じ格好をしていた。

みんなそうなんだね。

 

 

(つづく)

ふぅ。
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